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幻想郷地底区3番地5 地霊殿内より

 じ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ、と言う擬音が聞こえそうなほど、お燐とお空が睨みあっている。
 互いに衣服はボロボロ、顔はひっかき傷だらけ。弾幕ごっこが喧嘩代わりの幻想郷でも取っ組み合いの喧嘩は存在したようだ。
 まあ、これが外界では普通の光景なのだが。

 お燐が何かを叫ぶ。が、灼熱地獄の燃え盛る音が激しく、何も聞こえない。
 お空が負けじと叫び返す。が、灼熱地獄の燃え盛る音が激しく、何も聞こえない。

 お燐がお空に飛び掛る。猫のように身を撓らせ、爪で思いっきり引っ掻く。
 お空がその手を掴み、反対側の手で殴り返す。お燐も素早く反応し、拳を突き出す。

 絵に書いたようなクロスカウンターが炸裂。

 手が離れ、互いの体が後方へ吹っ飛ぶ。キレイな弧を画き、頭から地面に着地。

 そのまま二人とも動かなくなった。




「ねぇお姉ちゃん。どうしてあの二人喧嘩してるの?」

「ん? どうやらお空がお燐の温泉卵を食べちゃったみたいね。お燐が問い詰めたら、鳥頭のお空はもう忘れててそのまま喧嘩に発展したのね」


     ж


 だらだら、と言う擬音が聞こえそうなほどお燐とお空が座り込んで汗を流している。
 流した汗は多すぎて、地面に水溜りを作るほど。
 何に対して汗を流しているのか、どうして汗を流しているのか、そんな事はとうに忘れた。
 今はっきり覚えているのは、眼前の存在よりも長く意識を保つ事。ただそれだけを考える。

 お燐の視界に霞がかかる。頭がフラフラしてくる。
 どうしたあたい。まだアイツは座っているんだ。私もまだまだ……あれ、どうして座ってるんだろう。ていうか、アイツって誰だっけ――

 パタン。

 お燐が倒れた。汗をだらだら流したままぐったりとした表情でパタンと倒れた。
 それを見届けたお空はなおも汗を流しながら両手を天に突き上げてぴょんぴょんジャンプ。因縁の相手にとうとう打ち勝ったのだ。その喜びは計り知れない。

 ぴょんぴょん。ぴょんぴょん。

 お空は飛び跳ね続ける。敗者であるお燐を嘲笑うかのように、ぴょんぴょん飛び跳ねる。

 ぴょんぴょん。ぴょんぴょん。ぴょんぴょんぴょん――

 けれど、お空は自分がどうして嬉しいのか。それをすっかり忘れてしまった。




「ねぇお姉ちゃん。あの二人何やってるの?」

「ん? どうやらがまん対決をしてるようね。お空がやりたいって言い始めて、お燐が渋々付き合ってたみたい。旧地獄の竈の熱気にどっちが長く耐えられるか競争してたのね。あ、こいし。お燐こっちに連れて来て。あのままじゃ干からびちゃう」

「わかった~」


     ж


 ペロペロ、と言う擬音が聞こえそうなほどお燐がお空の体を舐めている。
 お空は服を着ていない。にもかかわらずお燐はその体に舌を這わせる。
 顔、腕、体、足……全身を舐める。舐める。舐め続ける。

 お空は気持ち良さそうに体をくねらす。それを見たお燐の舌がさらに活発になる。
 ペロリ、ペロリ……いつしかお燐の舌は、足の付け根に伸びていた。

 気づいたお空は逃げようとする。が、お燐の爪に阻まれて身動きが取れない。
 仕方なく、お空はお燐の舌を受け入れた。

 ペロン――




「ねぇ、こいし」

「なぁに、お姉ちゃん」

「猫とか鼬とか、よく股の毛を舐めて毛繕いするわよね」

「そうだね」

「猫や鼬が股の毛を舐めて毛繕いするんですもの、烏がそれを真似したっておかしくないわよね」

「そう、だね?」

「烏の体じゃ股に舌が届かないから、かわりに猫に舐めてもらったっておかしくないわよね」

「そう、かな?」

「つまり、お燐がお空の股を舐めていても全然おかしくないわよね」

「……はい?」

「今の動物形態でおかしくないですもの、当然人形態で舐めても」

「いや、そのりくつはおかしい」


     ж


 むしゃむしゃ、と言う擬音が聞こえそうなほど、お燐が肉にがっついている。
 その食べっぷりは豪快そのもの。一気にガブリと喰らい付き、ブチブチと引きちぎり、ゴクリと飲み込む。
 それでいて上品。口周りに汚れは見られず、食べ散らかす様子も無い。早食いの見本のような食べ方だ。

 突然ドカーンと言う音がした。ジュ、と何かが爆ぜる音がした。

 目を丸くするお燐。見れば、まだまだ沢山あったはずのお肉は全て吹っ飛んでしまった。

 爆心地に目をやれば、お空が核融合を何度も引き起こしてはしゃいでいるではないか。

 プチン、と何かが切れる音がした。

 お燐は素早く移動、音も無く熱玉を掻い潜り、お空に向かって走る、走る、走る。そしてブン殴る。

 バキィ、と何かが折れる音がして、尚お燐は殴るのを止めない。マウントポジションをとり、激しくお空の顔を殴打。右へ左へ連続パンチ。
 若干抵抗の意思を見せていたお空だが、すぐに体からは力が抜けた。

 それでもお燐は殴るのを止めなかった。




「ねぇお姉ちゃん。あの二人何やってるの?」

「ん? どうやらじゃれあってるようね」

「え? 私には喧嘩に見えるんだけど・・・?」

「多分、お空がお燐と遊びたくてしょうがなかったのにお燐は食べる事に熱中してて寂しかったんでしょうね。だから核融合で遊んでたら、うっかりお燐のおやつを吹き飛ばしてしまった。その結果があれ」

「つまり、どういうこと?」

「お空はお燐と遊べてよかったなぁ~って思ってるはずよ」

「……違うと思うなぁ」

「あ、こいし。そろそろお空助けてあげて。あのままじゃ死んじゃうわ」

「え~、自分で行ったら~?」

「嫌。私はここでのんびりお酒を呑んでいたいの」

「ちぇ~」


     ж


 ビュン、と言う擬音が聞こえそうなほど強くお空が腕を縦に振り、ブン、と言う音が聞こえそうなほど強くお燐が腕を横に振る。
 ビュンで球がお燐に向かって走り、ブンで球がお空に向かって弾き返される。
 それをお空はバシッと受け止める。ニヤリ、と口元で笑みを浮かべる。お燐も笑みを返す。

 まるで、ライバルのよう。他者の介入を許さない、二人だけの戦い。

 再度お空が腕を振る。激しく変化しながら進む球に向かってお燐も腕を振るう。

 仁義無き戦いは、まだまだ続く――




「ねぇお姉ちゃん。あの二人何やってるの?」

「ん? どうやら野球ね。どこで知ったのかしら。まあ、ルールを大幅に勘違いしてるけど」

「え? そうなの?」

「あの二人、ボールを相手にぶつけようとしてるじゃない。バッター役のお燐はともかく、ピッチャー役のお空がぶつけたらデッドボールよ。ま、勝手に楽しむのなら自由だけどね」

「へぇ~。ねぇお姉ちゃん!」

「嫌よ。私はやらない」

「え~……」

「やりたいのなら、あの二人と一緒にやりなさい。球拾いくらいならやれるでしょう?」

「お姉ちゃんとやりたいのに~」

「諦めなさい。私はあの二人をツマミに呑んでいるの」

「ちぇ~」



 地霊殿は、いつもいつまでも、なんだかんだで平和である。



「ねぇお姉ちゃん。さっきから何呑んでるの?」

「お湯」

「お酒じゃないじゃん」


~~~~~~~~~~~~~~


フォルダを漁っていたら、昔書いてたSSがあったからちょこっと書き直して掲載してみた。
他にもいろいろあるのでもしかしたらまた書き直して掲載するかもです。
そういえば最近はてんで夢を見ない。見ても覚えていない。そのためゆめにっきが全然書けないですねー。
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