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亀の歩 第十五回 『最後のピース』

 ついにフランドールと美鈴が帰ってきた。選手達もそれに応えるかのごとく好プレーを連発した。初回に咲夜が目にも止まらぬ華麗な送球でホームを死守すれば、楽天キラー妹紅は二本の本塁打で六打点。魔理沙は五回を完璧に押さえ、さらにはオープン戦以来となるホームランでリードを広げる。チーム全体が二人の帰還を祝福し、盛り上げた試合。これには主役も、応えないわけにはいかなかった。

■久しぶりのグラウンド
 先にグラウンドに立ったのは紅美鈴。途中からセカンドの守りに入り、途端に歓声が上がる。春は名前すら知られていなかった美鈴だが、今ではこんなにも愛されている。これも、あの血の滲むような努力があってこそだ。ただ、今日は目立った活躍は出来なかった。動きが固く守備では併殺を失敗して得点を許し、打撃では無安打。
「久しぶりの出番なので、少し緊張してしまったんです。一応怪我が治ってからもリハビリは欠かさずやっていたんですけど、やっぱり球場の雰囲気は違ってましたね・・・歓声に呑まれてしまって動きが固くなって、点もとられてしまって・・・チームには迷惑をかけてしまいました。でも、グラウンドに立っているうちにそういう緊張とかも取れてきて、普段どおりの動きが出来るようになりました。次の試合からは、もうチームの足を引っ張らないように精一杯頑張ります!」
 八回、礒部の放った打球は力なく、しかし高くバウンドして投手の頭を越え二遊間に転がる。それを捕ったのはタートルズの内野手一の守備範囲を誇る咲夜ではなく美鈴。彼女よりも早くボールに追いついた美鈴は、そこから一塁へ全力投球。微妙なタイミングだったが、判定はアウト。この時の美鈴の動きはシーズン中と同じ、軽快であり堅実な守備。いつも通りの美鈴だった。

■真ん中の苦手意識
 美鈴がグラウンドに立った、その裏の回。先頭打者として打席に立ったのはフランドール。美鈴の時と同じく、球場に詰め掛けたファンが一斉に歓声を上げる。その期待にフランドールは一球で応えた。投手、牧野の甘く入ったフォークをフルスイング。打球は高く高く夜空へ舞い上がり、右中間スタンドに飛び込んだ。これはダメ押しのソロホームランであると同時に、フランドールの完全復活を証明する一発だった。何故なら牧野が投じたフォークはストライクゾーンど真ん中。他のスラッガーなら迷わず振り切るコースだが、フランドールは別。彼女はど真ん中のボールが大の苦手なのだ。シーズンでも真ん中を執拗に攻められ、凡退するケースが多々。他の選手が楽に打つコースを、自分が何故打てない――そう、フランドールは嘆いていた。
「前ね、お姉さまがすっごく難しいコースを空振りして落ち込んでたの。どうして? って聞いてみたらね、ど真ん中を空振りしてしまう自分が情けないって言ってた。その時初めて、真ん中のボールは簡単なボールって知ったんだ。でも、私は真ん中のボールが打てないの。パチュリーや小悪魔に頼んでど真ん中のボールを打つ練習も沢山してたんだけどね・・・全然打てなくて。イライラするし、悔しかった。けどね! この間長い長い夢に魔理沙が出てきてね! 私にたっくさんホームランを打たせてくれたの! その時に真ん中を打つコツも教えてくれた! 魔理沙にはね、すっごく感謝してるんだ!」
 夢の中の活躍は、フランドールにとって良いイメージトレーニングとなったようだ。イメージは重要であり厄介な物で、一度苦手意識を持ってしまえばずっと引き摺ってしまい、全く打てなくなってしまったりもする。フランドールは姉との会話でど真ん中に対して苦手意識を持ってしまっており、執拗に力んで打ってしまう傾向が合った。が、それを夢の中でとはいえ払拭できた事は大きい。夢をイメージトレーニングとするならば、フランドールの夢は最上のイメージトレーニングだったことだろう。

 今まで欠けていたタートルズの最後のピース。完成したパズルには、何が描かれているのだろうか。

(尚、選手顔写真は兎虎が何者かに壊された為無掲載です。ご了承下さい)

あとがき
この二人を書かずして誰を書くっ!
美鈴が始めてグラウンドにたった際、僕は両手でガッツポーズを作ってた。
あと、牧野はもう亀戦には使わない方がいいと思うんだ・・・
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