スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

亀の歩 第十六回 『目覚めた百鬼夜行』

 日本シリーズ第五戦はタートルズが勝利。日本一に王手をかけた。
 タートルズの戦いを象徴するような、代打を絡めた繋ぎの攻撃が見事に決まった。同点に追いつかれた直後の九回、小町、美鈴の連打で一二塁とし、代打スイカが勝ち越しタイムリーツーベース。続く代打幽々子もスリーランを打ち、試合を決定付けた。
 いつもながら代打の的中率が高い采配だ。まだベンチには藍がいたにも関わらず、迷いなくスイカ達を送る。この思い切りの良さが勝利を演出した。なによりも、一つ間違えれば流れを切りかねない場面だったが、ここで確実性の低いスイカを送り出す思い切りの良さが光った。

■冷め切った期待

 シーズン中は特にこれと言った活躍が出来なかったスイカ。代打として使うには博打要素が強く、スタメンとして使うには守備が雑。
 さらには不真面目な練習態度。ノックをまともに受けず、打撃練習ばかり。十球ほど打球をスタンドへ放り込んだらベンチに引っ込んで酒を飲んでいる。選手、監督に与えている印象は最悪。それでもチームが乱れなかったのは、スイカがそういう存在であると知られていたからだろう。
 ただ、それが許されるのは選手の中だけ。ユニフォームを着て球場に立てば立派なタートルズの選手だ。なのにそんな態度では、ファンの見る目は冷たくなる。打席に立った時点でアウトと思われているのがその証拠。
 しかし萃香は態度を変えない。いつも通り酒を飲んで試合に出、いつも通りに凡退。もう萃香に期待しているファンはいなくなってしまった。

■転機

 が、最近の、それこそシリーズが始まってからのスイカは多少酒は飲んでいるものの本格的に練習に取り組んでいた。前述のようにすぐやめていた打撃練習も、今は他の選手が迷惑するほど長く続けている。
 転機となったのはシリーズ第一戦。八回二死満塁で打席に立った。一打逆転の場面だったが、フォークを引っ掛けてショートゴロ。第一戦の敗因として挙げられてしまう。さすがのスイカもこれには堪えられなかった。
「練習とかしなくても、私なら簡単に大きいのを打てるって思ってた。でも、実際は違ったよ。直球はまだしも、変化球に全然目が追いつかない。変化球で揺さぶられると、直球も打てない。そうなったらもう何を投げてこられてもダメ。満塁の場面で一本も打てないなんてね・・・鬼失格だよ、私は」
 いつもならば笑って誤魔化すのだが、今回は弱気なコメントを残し、すぐに引き上げてしまった。
 その翌日から、スイカは練習に本気で取り組んだ。元々パワーのある選手。打席数は少ないものの、シーズンの長打率は6割6分7厘。OPSはレミリアと共に1超え。ボールに目を慣らしておけば結果が出るのは当たり前だった。第二戦では二安打一打点の活躍で汚名返上し、六戦では決勝タイムリー。
「もう手は抜かないよ。これからは全力で野球をする。試合は少ないけど、その中で絶対に鬼の力を・・・百鬼夜行を球場に引き連れてやる!」

 絶対に嘘を吐かない鬼がきっぱりと言い切った。眠れる鬼がとうとう目覚めたのだ。

(尚、選手顔写真は兎虎が何者かに拉致された為無掲載です。ご了承下さい)

あとがき
萃香やゆゆ様が打った回。ゆゆ様はともかく、萃香はシーズンでは三割打ってたのになぁ・・・
僕は萃香が好き。というよりも、嘘を吐かない鬼という種族が好き。
今の世の中じゃ鬼じゃなくとも姿を暗ましたくなりますて。これあとがきじゃないよ。
スポンサーサイト

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © 寝たいときには寝ちまおう All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。