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蛙亀の歩 第一回 フロッグスサイド 『守護現人神』

 幻想郷リーグの開催により新しく結成されたチーム、その名も『守矢フロッグス』。この練習試合ではチームの長所、そして短所が浮き彫りとなった。
 まず短所は貧弱な中継ぎ陣。タートルズから移籍したミスティアらはいずれも古巣に点を献上し、新たに加わったこいしも四球から崩れた。中継ぎ陣の失点は9点。これでは、五回を一失点に抑えた天子の好投が報われない。
 しかし、中継ぎが復調すれば怖いものなし。先発した天子や幽香をはじめ強力な先発陣、本塁打を打った衣玖や強打者の勇儀、神奈子らを有す打線はタートルズに勝るとも劣らない。そしてなによりも、監督を兼任する抑え投手、東風谷早苗の安定感には目を見張るものがあった。

■『仕方なく』使っている最高の決め球

 九回表、5点のビハインドながらも早苗は初めてマウンドに立つ。そして見せたのは、圧巻と言う言葉だけでは片付けられない投球。
 先頭打者の慧音を決め球のVスライダーで空振り三振に斬って取ると、続く大妖精はインハイの直球で、てゐもVスライダーで空振り三振。三者連続空振り三振。バットに当てるどころか、かすらせることすら許さなかった。
「本当は、麓の巫女と同じフォークを習得したかったんですけどね。私の手は小さくて、ボールを挟めなかった。だから、縦のスライダーを習得したんです。これなら私でもキレのあるボールを投げる事ができるから」
 早苗の操るVスライダーのキレは抜群。ベースの手前で急激に落ちるそれは、霊夢のフォークにも匹敵するだろう。
 だが早苗自身は、Vスライダーをそれほど信用して投げている訳ではない。
「Vスライダーを投げると、いつも屈辱感に苛まされるんです。前にも話した通り、Vスライダーは初めから投げたいと思って習得した球ではありません。むしろ、仕方なく投げている感じですね。でも、Vスライダーを受けた諏訪子様が『このボールは使えるよ』と仰ってくれた。だから私はこの球を磨き、決め球にしたんです」
 受動的な考えにも聞こえるが、早苗は守矢神社に住まう神、八坂神奈子と洩矢諏訪子の二柱を深く深く崇拝している。その諏訪子に良いと言われたVスライダーは早苗の中でフォーク以上の価値を持つ球へと昇華した。
 文字通り『神の御告げ』によって鍛えられたVスライダー。いつしかそれは、簡単に打つことのできない最高の決め球となった。

■沢村賞

 当初、早苗は先発投手を目指していたのだという。タートルズの投手陣をもってしても成し得なかった『沢村賞』という先発投手として最高の賞を手にする事を目的としていたが、如何せんスタミナが無かった。九回を投げきる体力が無ければ、完投数も条件に入っている沢村賞など受賞できる訳がない。
 先発を諦める事は、早苗にとって苦渋の決断だったに違いない。
「以前から投手タイトルや沢村賞への意識はあったのですけど、神奈子様から沢村投手の話を聞いてそれがより強くなってしまいました。それなのに(沢村賞を)肉体的な問題で断念しなくてはならなくなったのは正直辛かったですよ。麓の巫女や魔法使い達はあんなに投げているのに、私は投げられない。とても、歯痒かった……」
 それでも、早苗はチームを指揮する監督として自分を抑え、手薄な救援陣を救う為にクローザーを務めた。
「沢村賞はほしかったけれど、私は監督。一つの事ばかりに気をとられてチームに迷惑をかけては意味がありませんから。先発投手に比べて注目度は低いけれど、クローザーだって勝つためには欠かせない重要な役割。やるからには、クローザーの注目度をもっと上げられるくらい頑張りたいです! 目指すは優秀なクローザーが受賞する賞……その名も、『東風谷賞』の製作です!」
 若干方向性は間違っているものの、早苗の堅い決意は十二分に伝わった。早苗の率いるチームがどのような野球を魅せるのか。楽しみである。

あとがき
早苗のデビューには誰もが度肝を抜かれたに違いない。
そして早苗ファンの皆様ゴメンナサイ。すごく痛い娘になってしまった・・・
因みに、兎虎は僕が存在を完全に忘れていたのでいっそのこと解雇処分に。まあいいよね。
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