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蛙亀の歩 第二回 『催眠術ヲ封ジタサトリ』

 幻想郷リーグ開幕戦は、フロッグスの逆転勝利で幕を閉じた。
 勝負を決めたのはフロッグスのクリーンナップの先陣を務める勇儀。七回から代打で出場した勇儀は二本の長打で二打点をあげ、文句無しのヒロインに選ばれた。
 この勇儀の活躍を呼んだのは、援護も仲間もいない中孤独に耐えて投げぬいた先発投手、古明地さとりの力投があってこそだ。

■死灰復燃ユ

 六回。先発のさとりは先頭の青木にホームランを打たれ、福留、金本の連打で二点を先制されてしまった。誰もが降板か、と思っただろう。六回途中2失点ならば、スタミナが無いわりによく投げたと評価される。しかしさとりはまだ降りなかった。
 完投を狙っていた訳でもなく、自分が招いたピンチを自ら脱する為でもない。
「先頭の青木選手にホームランを打たれて、その後金本選手にも打たれてしまい、私の心は殆ど折れていました。体力も使い果たしているし、それに皆がいなかった。たった一人で援護も無く投げているというのは、馴れていたつもりなんですけど、やはり辛かったですね。一人で投げるというのは」
 さとりが言うには、アクシデントでこいし以外の地底に住む妖怪達の到着が遅れてしまったらしい。妹がいるとはいえ、親しい地底の住民が殆どいなかった。
 その上、味方打線は全セ先発内海の前にヒット一本と完璧に抑えられている。味方の援護も期待できず、たった一人で投げていた。さとりの精神への負担は限界を迎えていた。
「金本選手に打たれた時、一度はマウンドを降りようかと思っていました。その時ですね、皆がようやく到着したのは。おりんやおくう達……皆さんが来てくれなかったら、私はここで折れていたでしょうね」
 ようやく地底組が姿を現した。彼女らの登場に勇気付けられたさとりの闘志は復燃し、折れていた心も持ち直した。
 その後のさとりの投球はまるで初回のように気迫十分。五番李を高速スライダーでライトへのファールフライに、続く新井もツーシームでサードフライに打ち取った。
 さとりの気迫に触発されたのか、次の回、湿っていた味方打線もようやく火を噴き2得点。さとりが蘇ると同時に、フロッグス全体が息を吹き返した。

■嫌ワレ者ノフィロソフィー

 針の穴を通す制球力、最速150キロオーバーのツーシーム、キレのいい変化球。どんな球でも自在に操る万能投手のように見えるさとりだが、一つだけ弱点がある。それは圧倒的に球が軽い点だ。
「私は地霊殿の主。それ故地底でも恐れられているけれど、私自身はそれほど大きな力を持っているわけではありません。力だけならおくうの方が強い。それでも私がおくうより恐れられているのは、人の心を読み、弱みに付け込むから」
 他者の持ち球をコピーして自分の持ち球にするさとりだが、どうしても偽者は本物に勝てない。だからさとりは巧みな話術、演出で相手を陥れ自滅に追い込む。だから野球という競技では、さとりは弱い。
 野球という土俵で戦う以上、能力は封印するのが道理だ。もし相手の心を読んでしまえば、打者がどのコース、どのボールを狙っているかが丸わかりになってしまう。そうなれば投げるコースを誤らない限り、痛打を浴びることは無い。
 その行為は相手への、そして共に戦っているフロッグスメンバーへの侮辱。真剣に野球を楽しみ打ち込んでいる者の心を読み弄ぶなど、やってはならない。
「戦う相手の心を読まない、と言うのは新鮮で、とても怖かった。いつも相手の心を読んでいると、相手の気持ちがわかることが当たり前になってしまう。でも、私以外はわからない事が当たり前。私だけそのような反則を犯すことはできません」
 心を読む目を閉じ、『さとり』ではなくただの妖怪として真っ向から野球に挑む。さとりの瞳は静かに燃えていた。

あとがき
球は軽いけれど、精一杯抑えるさとり。
何だかさとりには送り仮名はカタカナにした方が似合う気がする。死灰復燃ユのように。
しかし、展開がワンパターンすぎる。締めも適当。どげんかせんとあかん。
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