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蛙亀の歩 第四回 『皆で楽しむ野球』

 幻想郷リーグが始まってから、アリスはペナントであまり活躍できなかった選手を積極的に起用している。開幕戦では橙や妖夢、第二戦では慧音やてゐがその例と言えるだろう。
 理由は、アリスが選手が野球を楽しめるようにと配慮しているからだ。ペナントレースでは勝敗を重視していた為、試合にあまり出られなかった選手も多くいる。
 彼女達にも、もっと野球を楽しんでほしい――アリスはそう考え、実行した。ペナントレースではできなかったのびのび野球が、今まさに実践されていた。

■先生の誇り

 いつもはランナーを返す妹紅が、今日は二塁上にいた。その妹紅をホームへと迎え入れる一打を放ったのは慧音。朝倉のシュートを完璧に捉え、センター前にはじき返す。それほど足の速くない妹紅が懸命に走り、間一髪セーフ。球場に来ていた教え子達に自身の活躍を見せることができた。
 ペナントレースでは堅実な守備と勝負強い打撃を買われ、終盤の守備固めや代打によく起用された慧音。しかし出場試合数は30にも満たず、よく観戦しに球場まで訪れる寺子屋の子供たちにはよい格好をあまり見せられなかった。
「子ども達が試合を観た次の日の寺子屋は、ずっと野球の話題が尽きないんだ。皆の話の中によく上がるのは妹紅や妹紅や妹紅や妹紅や妹紅や妹紅や妹紅や(中略)けれど、たまに私が試合に出ても、皆の目はずっと妹紅達に向けられたままなんだ。ちょっと、寂しいな。折角私が……先生が出場しているのにな」
 誰よりも子ども達に近い立場にいるのに、誰よりも子ども達と近い立場にいるのに、子ども達は応えてくれない。注目している相手が妹紅だからいい、という問題ではない。慧音はこの試合に、チームの勝利だけではなく先生としての意地も掛けていた。勝ち越しのタイムリーを打ったことで、子ども達も慧音を話題にすることだろう。
「たまたまいい場面で打席が回ってきて、たまたまボールを前に飛ばせただけだ。そこまで褒められる事じゃない。でも、子供たちの前でタイムリーを打ててよかったよ」
 慧音は謙虚に答え、静かに、しかしとても楽しそうに笑った。

■ムードメーカー

 八回。映姫は二死をとった後連打で満塁とされてしまう。打席に立ったのは福留。第一打席で先制のホームランを打たれている相手だ。
 二死とは言えど、点差は二点で、二塁走者は俊足の赤星だ。打球が外野まで転がればまず間違いなく同点とされてしまうだろう。そうなれば、流れは一気に全セに持っていかれてしまう。それだけは避けなければならない。
 投手にとって一番苦しい場面で、一番に声をかけたのは捕手のレティでも、監督のアリスでもなく、慧音だった。
「職業柄か、閻魔様のように誰かが頑張っていたり、窮地を迎えている姿を見ると、声をかけずにいられないんだ。いろんな方から『慧音は気が利く』とよく言われているけど、私はそうは思わない。私はあくまで、当たり前のことをしているつもりだからな」
 守備位置からマウンドまで駆け寄り、言葉をかけるだけだが、これを行なうには他者に目を向けることが必要だ。自分だけを見つめ行動するのは誰だってできるが、他者の事も考えることは簡単なようで難しい。
 だが、慧音は教師。教師は自らの知識を他者に分け与え、かつ自分が受け持ったクラスを纏める職。先生として生きている以上、慧音がムードメーカーとなることは必然なのだ。
「あの時閻魔様に申し上げた言葉? ただ『ご自分の一番信じているボールを思い切り投げ込んで下さい。もし打たれたとしても、我々がしっかりと守ります』と申し上げただけさ。そんな事、閻魔様なら承知なされていただろうがな」
 この一言で映姫は息を吹き返した。追い込んでから二球続けてファールを打たれ、それでも怯まずに投げ込んだシュートを福留は捉えられずに三振。冷静な映姫にしては珍しく、とても大きなガッツポーズを見せ、ベンチへと戻っていく。
 慧音は映姫に近づいて、力強くグラブを打ち交わしていた。


あとがき
途中まではすらすら進んでいたのに、仕上げにかかったら急に筆が進まなくなった。火曜日までに仕上げたかったから、焦った。
妹紅ラヴな慧音。中盤ちょこっと暴走させてしまったけど、慧音なら仕方が(ry ケーネスキーの方申し訳ないっす・・・
血を書けなかった。ちょっとgdgdすぎ。機会があれば書き直したい・・・
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