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蛙亀の歩 第六回 タートルズサイド 『調律師』

 調律という言葉がある。ピアノ等、楽器のチューニングを行なうことだが、これは何も楽器に限ったものでは無く、野球にもあるのだと思う。
 例えば、先発投手がリードを保ったまま降板し、そのまま中継ぎに繋げたとする。だが、もし中継ぎ投手の制球が定まらず、無死満塁のピンチを招いてしまったとしよう。この時、マウンドにはセットアッパーが登り、見事無失点で切り抜けた。これも、相手側に転びかけた試合の流れを『調律』したと言える。
 この試合同点の場面から登板した小悪魔、リリーW、そしてリリカは、今回見事調律師としての仕事を果たした。

■無名調律師

 小悪魔は六試合、リリーWに至っては二試合の登板と、二人ともシーズンではほとんど活躍できなかった。自身の実力もあるが、なによりも投手陣の層の厚さに勝てなかった。
 だが、幻想郷リーグは違う。紫と阿求が不参加、シーズン中ブルペンを支えたミスティアに穣子が、そして二人と同じ入れ替え要因であった三月精も移籍し、席は空きライバルは消えた。
「シーズンも練習試合も、私は散々な成績しか残せませんでした。ファンの中には、『小悪魔が出てきたら一点は覚悟しなければならない』と考えていらっしゃった方も多いのではないでしょうか」
 小悪魔の弱点は制球力の無さだ。シーズンでは六試合に登板して与えた四球が7個。これは一試合に必ず一つは四球を与える計算になってしまう。この制球力の無さが災いして、よい成績どころかろくに一軍でも投げられなかった。
 初球、小悪魔が投じた直球は高めにすっぽ抜けてしまう。二球目こそゾーンの中に投げられたが、コースはど真ん中。結果はレフトフライだったが、打者によってはスタンドに運ばれてもおかしくないコース。
「ワンポイントの責任は果たせましたけど、内容には修正点が沢山ある。何よりも・・・まだまだ投げたい。ワンポイントじゃなくて、もっと長いイニングを投げてみたい」
 内容をよく反芻し、次を目指す小悪魔。これから彼女はどのような調律師となっていくのだろうか。
 もう一人、小悪魔の後を受けて勝ち星を挙げたリリーWも忘れてはならない。登板機会こそ小悪魔よりも少ない二試合だが、内容自体は良かった。ボールを内外高低と散らして相手打者に的を絞らせず、天狗の二人を外野フライに抑えた。
「春ですよー! 貼るですよー! 波留ですよー! 張るですよー! 春は皆が春でっすよ~~~~~!!!」
 本人はこうコメントした。正直何が言いたいのかは理解不能だが、春のような満面の笑みが見事に調律を成功させた達成感を表していた。

■幻想調律師

 先発のメルランは制球が定まらず、追い込んでからカウントを悪くして痛打を浴びるピッチングで7失点。シーズン中はセットアッパーとしてブルペンを支えたルナサもまた1失点。八回にマウンドに上がった妹、リリカは大きな重圧を感じていた。
 タートルズの失点は全てルナサとメルランの乱調によるもの。勝ち越したとはいっても、流れはまだ完全にタートルズに傾いてはいない。そこに唯一失点した二人の妹が登板したことは、相手からしてみれば付け入る隙が十分にあった筈だ。案の定、リリカは先頭打者の勇儀を簡単に出してしまう。が、ここからが違った。
「ルナサ姉さんは鬱の音色が暴走して甘いコースに投げちゃった。メルラン姉さんは逆に躁の音色が暴走して、コントロールが定まらなかった。ライブでもこういうはたまにあるんだ。こういうときは、私の出番」
 リリカは騒霊楽団のライブでキーボードを担当している。彼女の音色は幻想の音であり、姉達とは違って体には何の影響も無い。物騒な音色を持つ二人と比べたら地味な音色にも聞こえるが、この音にはもう一つ重要な役割がある。それは、鬱と躁の音色を調整して誰が聴いても問題が無い程度のレベルに調節することだ。
 ルナサとメルランの演奏は正反対の作用を及ぼす。故に二人の演奏を同時に聴けば鬱と躁は中和されるのだが、この中和方法は誤差が大きく、中和しきれない可能性が高い。そこでリリカが二人の音を調整する。我々がプリズムリバー楽団の演奏を聴いていられるのは、リリカが調律をしているからだ。
「もし私まで音を暴走させちゃったら、ライブは誰も手が付けられなくなるくらいに崩壊しちゃう。だから私はどうしても音を外すわけにはいかない。野球でもそれは同じ。姉さん達が乱した音色は、私が修正する。いつもの役割が野球でもできてよかった・・・」
 先頭の勇儀を簡単に出し、高打率をキープしている主砲、神奈子とチャンスに強い衣玖らが控える中軸を迎えてしまったが、リリカは落ち着いたピッチングで神奈子を併殺に、衣玖を伝家の宝刀サークルチェンジでショートゴロに打ち取る。姉達が響かせた不協和音を正す、見事な調律だった。

あとがき
後半は明らかにリリカスキーが暴走した内容。でも後悔はしてないよ!
コラムには初出場のリリーにこぁ。こぁはともかく、リリーがちゃんと書けたか不安。
僕にゃこの程度が限界。でも可愛いいから許して!(殴
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