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蛙亀の歩 第九回 タートルズサイド 『明暗分かれた同居人』

 一部の選手がフロッグスに移籍し、タートルズは一軍と二軍の区別が無くなった。これによって、ペナントでは滅多に試合に出られなかった選手にも出場する機会が激増した。そういった選手達は、まるでシーズンで活躍できなかった鬱憤を晴らすかのようにプレイしている。
 例えば、正二塁手として期待されていた筈の鈴仙。てゐと雛の移籍によって増えた出場機会を、彼女はしっかりとモノにしている。他にも妖夢や慧音、投手陣では小悪魔やリリーWがしっかりと結果を残している。
 そして忘れてはならないのが萃香だ。ファンの不信を尻目に、精一杯の活躍をしている。

■鬼の一撃

 シーズンを通してならば、母数は少ないものの三割オーバーの打率に1.0を越えるOPSを残した萃香。しかし中継試合に限っては勝負どころで凡退したり、期待された本塁打も0本に終わったりと、ファンに活躍しているイメージを残せなかった。日本シリーズ第五戦では決勝打を打ったが、萃香に対する偏見は拭い去れぬまま。
「ファンの人達には腹は立たないよ。皆が観てる前で打てなかったのは事実だしね。でも、自分に腹が立つ。打席に立つと同時に『チェンジだな』とか『萃香乙』とか、そんな野次を聞くとね、どうして自分はもっと真剣に野球に取り組んでなかったのかって思うときがある。だから、この幻想郷リーグは、私にとって特別なんだ。皆の前で打てなかったペナントのイメージを払拭して鬼の威厳を取り戻す為の、大事な機会なんだ」
 新聞を読み、そこで初めて活躍を知られるようでは花形選手には程遠い。ファンの前、特に中継試合で何度も活躍して初めてその称号は手に入る。タートルズでは妹紅がいい例だ。
 萃香はこれができなかった。ただでさえ守備が不得手で出場機会も限られているのに、ここでいい印象を残せなければ期待なんてされない。罵声に萃香は耐えられなかった。だから出場機会を求めて外野へのコンバートを打診し、嫌いだった練習にも力を入れた。
 結果は出ている。幻想郷リーグの序盤こそ調子は上がらなかったが、最近は犠飛を打ったり四球で出塁する等チームプレイを意識する場面もあれば、ポールや天井を直撃するホームランを打つなど迫力満点の打撃で自分をアピールしている。忘れられた鬼の威厳を取り戻す日は、すぐそこにある。

■巫女の不覚

 逆に、シーズンでは好調だったが幻想郷リーグで調子を落とした選手もいる。中でも、このリーグから抑えに転向したエース、博麗霊夢の不調はチームに大きな影を落としている。
 練習試合は素晴らしい投球で三者凡退に抑えたが、最近の霊夢は走者を出しながら何とか抑える、いわゆる『劇場』を繰り返した。そしてフロッグスとの第二戦で逆転のスリーランホームランを打たれ、遂に救援失敗を記録してしまう。
「調子は悪くなかったわ。むしろ良いくらい。なのに、球に力が乗っていかなかった。レティのリードと私の勘でどこに投げたら打たれるかは大体わかってたのに、全部打たれる所に投げちゃった。それに、球に力が乗らないから制球にすごく力を使うフォークが投げられなくて、投球に幅を利かせられなかったの」
 霊夢は決め球のフォークを一球も投げなかった。彼女のフォークは切れ味も変化も一球品だが、それ相応の制御力も必要になる。霊夢の言うように球に力が乗らない状態では、フォークは投げられない。
 また、レティのリードにも問題があった。時はペナントレースの開幕戦までさかのぼる。当時先発だった霊夢は、五回に突如制球を乱してピンチを迎え、そしてホームランを打たれている。レティは同じ失敗を繰り返してしまった。
「コントロールが定まらない時にシュートを要求しすぎちゃうのは私の悪い癖ね~。霊夢のシュートはカウントを稼ぎ易いんだけど、狙われたらひとたまりもないの。あの時(開幕戦)もシュートを投げさせすぎて痛い目を見てるのに、すっかり忘れてしまっていたわ~」
 フォークが使えなくとも、霊夢にはまだ持ち球があった。にもかかわらずシュートばかり投げていては、狙われるのは必然。これは他の球をちゃんと使っていたら防げた本塁打なのだ。
 同居人の萃香とは逆にピリッとしない霊夢とレティ。チームを幾度と無く救った黄金バッテリーの失敗で決勝トーナメント進出も危うくなったタートルズ。もう負けは許されない。最終戦にはなんとしても勝たなければならない。我々は選手を信じ、精一杯の応援をしたい。
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