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蛙亀の歩 第十三回 タートルズサイド 『攻防一体最終陣形』

 タートルズのスターティングオーダーは、オープン戦で見たような一発を狙うものだった。この打線相手に与えるプレッシャーは計り知れないものがあるが、その反面繋がりにかける欠点がある。その例が二回と四回の攻撃だ。共に無死一、二塁の好機を作るも、後続が続かず無得点。
 しかし七回。相手先発パルスィが四球で自らピンチをつくって降板すると、今まで燻っていた打線にようやく火が点いた。レミリアの走者一掃タイムリーツーベースに妖夢、萃香のタイムリーで五点を奪い逆転に成功。
 その後も強力打線で点を奪っていくのかと思いきや、ここで監督代行の魔理沙は思わぬ策に出た。選手の大半を控えの、守備専門の選手と入れ替えたのである。三点のリードを守備固めで守りきるのかと思われた。

■後ろへの意識

 ところがこの守備布陣。一見するとスタメンとはまるきり逆の、あまり打撃を得意としないイメージを髣髴させるが、実際は違った。一発を打つ力が無い為、走者を返せる選手になんとしてでも繋げようとする布陣だったのだ。
 この時点でそのような選手はレミリアと燐くらいしか残っていなかった。ならば、前を打つ選手は二人に必死で繋げようとする。
 その姿勢が現れたのが八回だ。慧音とにとりの連打で無死一、二塁のチャンスを作ると、勝負強い燐のツーベース、そしてレミリアの犠牲フライで二点のダメ押し。守備重視の打線、しかも下位からの攻撃でのダメ押しは相手に大きなダメージだっただろう。
「チャンスの場面は燃えるんだよねぇ。塁上の選手をホームに返すのって、なんだか死体を火焔地獄跡に運ぶみたいでさ。でも、二人も走者がいたのに一人しか返せなかったのがちょっと心残りだね。もうちょっと(打球が)深かったらなぁ……」
 好期の場面を振り返る燐。言っている事は少し違うようにも思えるが、それでも彼女がチャンスに強い頼れる存在であることには変わりない。

■己の役割

 一発重視の打線は繋がりに欠け、守備も拙くなりがちである。その証拠が咲夜の代わりにシュートを守った妹紅だ。一、三塁の守備はそつなくこなすが、遊撃はシーズンでも殆ど守ったことが無い。そのせいか動きも緩慢で、アウトに出来る打球をセーフにさせてしまうことが度々あった。
 他にも、守備に不安のある選手は沢山いるのだ。このままでは守りのミスで何点奪われるかわからない。だから魔理沙はリードすると、すぐさま打撃重視の布陣から守備重視の布陣に切り替えた。これも、タートルズの層の厚さがあるからこそできる技だ。
 今日途中出場しそのまま守備に就いたにとりは語る。
「守備固めの殆どの選手が、自分の仕事は守備固めで確実な勝利をものにすることだ、って思ってるんじゃないかな。少なくとも私はそうだよ。私はタートルズで一番一塁守備が上手いって自負してる。打撃じゃ幽々子や妹紅に劣るけど、守備なら二人に負けたくないからね!」
 元々にとりは幻想郷リーグが開催された当初はフロッグスに移籍していた。だがそこではファーストのレギュラーには勇儀がいた。勇儀がベンチに退く際には捕手の神奈子がそのまま守備についてしまう。実質、一塁の守備固めは要らなかったのだ。
 だからにとりは出場機会を求めて古巣、タートルズに復帰した。ここには、自分の存在を必要としてくれる場所があったから。
 守備重視の布陣でも点をもぎ取る力を持ったタートルズ。これで勝敗は互いに一勝一敗の五分。幻想郷リーグ優勝をかけて、タートルズは最終戦に全力を尽くすだろう。
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